連載「HACCP導入、運用のコツ(61)」

「HACCPのブラッシュアップ」

食品製造を続けていると、最初のHACCPの論議では気が付いていなかった危害も見えてくるし、一方で自主検査が進んで、食材の汚染の程度や製造での冷却の不十分なども見えてきている。日々集まってくる心配事をしっかり見つめて、さらに必要な分析や検査なども加えて、製造方法そのものを見直してみましょう。なぜその温度に加熱するのか?冷却速度は、微生物の増殖温度と重なっていないか?製造工程の機械の配置が合理的か?検討項目が見えてきます。製造を走らせながらHACCPの討議も行う。ポイントに絞った討議もとても良い。変更すべきことも出てくることでしょう。なぜ変更したのか?なぜその条件としたのか?理由を必ず文章で残して、どの社員が見ても理解できるように進めましょう。これをHACCPのブラッシュアップと呼びます。

旭川食品産業支援センター センター長 浅野行蔵 メルマガ:第494号(2023年5月1日発行)より

2023.05.02