★ 連載「HACCP導入、運用のコツ」
食品のpHが中性付近だと室温で保存するために121℃以上の加熱殺菌が必要となる。これをpH4.6以下に下げられると85℃30分の加熱で殺菌が可能となる。pHを下げる威力は目覚ましい。麹はコンタミしやすく小林製薬の紅麹でも有名になった。清酒の麴でもコンタミは起こっている。生酛(きもと)清酒では乳酸菌を成育させてpH を下げている。速醸酛では、乳酸を添加してpHを下げている。乳酸は乳酸菌によって作られた発酵製品である。食品に用いた場合、添加物の使用にあたるが、実は発酵食品の添加である。昔の製造者の努力のたまものである。乳酸の発酵パワーをしっかりかみしめて活用してほしい。
旭川食品産業支援センター センター長 浅野 行蔵
【メルマガ:第520号(2024年12月19日発行)より】
2024.12.23