★連載「HACCP導入、運用のコツ」(74)
昨今のニュースを見ても、相変わらずの食中毒事故が目に入る。北九州市の飲食店で会食した高校生と保護者などのグループ63人のうち、35人が下痢などの症状を訴えた。保健所は、カンピロバクターによる集団食中毒と断定し、2日間の営業停止処分とした(6月26日)。長野市内の寮では、食事を食べた125人が下痢や腹痛の症状を訴えた。保健所は、熱に強いウエルシュ菌による食中毒と断定した(6月14日)。
いずれも典型的な原因の食中毒。調理関係者が微生物への正しい知識を持っていなかった事になる。プロとしてアウトである。調理に携わる仕事に就くのに資格試験など義務づけが少ないことが原因のひとつと思う。長野の寮は、大量調理マニュアルを理解した栄養士の資格のある方が責任者だったと思うが、事故の発生はアウトだ。食中毒への防備を忘れてはならない。
旭川食品産業支援センター センター長 浅野 行蔵
メルマガ:第515号(2024年7月1日発行)より
2024.07.03